東日本大震災 対策方針



  2011年3月11日に発生した東日本大震災により被災した皆様に心からお見舞い申し上げます。また大震災で尊い命をなくされた方々のご冥福を心からお祈りいたします。

 世界最大級の地震により、建物・家屋の倒壊のみならず、大津波で海岸沿いが壊滅的なダメージを受け、相当数の死者・行方不明者がでております。原子力発電所の事故も発生し、あわせて30万人以上が避難を余儀なくされております。被災地は行政そのものも機能しない地域もあり、交通機能の停止、停電、物資・燃料不足など様々な問題が発生しています。さらには首都圏のみならず日本全体が危機に瀕しています。その危機に日本全体が全力で立ち向かう時期であると考えます。

  私たちが活動している福井市は戦災で町が焼け復興が進められた後に、福井大震災が発生し大打撃を受けました。先人はそうした苦難を乗り越えて福井市を発展させてきました。また2004年には福井豪雨が発生し、集中的な降雨により足羽川その他が氾濫するという災害を経験し、復興に取り組んできました。更に福井県の西南部の海岸沿いは原子力発電所が集中立地しています。こうしたことから私たちは今回の東日本大震災はとても他人事とは思えません。日々伝えられる報道に目を覆いたくなる衝動に駆られますが、この事態に目をそむけることなくしっかりと受け止め、私たちが出来る支援を行い、また私たちがなすべき対策を講じてまいりたいと思います。

 大震災発生の翌日12日にセンター主催活動があったことから、3月12日に対策本部を設置、理事長である私がその責任者を務めております。余震、津波、原発事故、交通の状況などについて情報収集し、活動を行う環境になくなったと判断した場合は行事の中止等に踏み切る方針を取っています。安全対策やガイドラインの見直しに取り組むことといたしました。
 また、自然体験活動を通して青少年の健全育成、持続可能な社会に向けて貢献していくことをミッションとするNPO法人として、私たちが出来る支援を行っていこうと、まずは物資・義援金支援を開始しました。自然体験活動に取り組む全国の仲間達・ネットワークでも出来る支援を進めていく動きにも関わっています。

 地震発生して一週間が経過し、まだ様々な状況が解決されていない状況のなかで、本日3月19日より、当センターが毎年主催し取り組んでいる幼少期児童向けの春合宿がスタートします。スポーツ行事などをはじめ中止、自粛した行事もあるなかで、私たちの活動についてもどうすべきか協議した結果、予定通り実施することといたしました。
 私たちが取り組む自然体験活動は、子どもたちに自然の素晴らしさを感じると同時に自然の脅威も理解し、自然との接し方を身につけ、仲間と過ごしたり協力・協調し、そして生きる力を育んでいくことをめざしています。こうした活動の意義の重要性は今後増していくことを鑑み、活動は通常通り継続・実施していくことが私たちが出来ることの一つであると考えます。
 このように表明しながらも私自身のなかで複雑な気持ちが全くないとは言えません。保護者様、お子様のお考えやお気持ちが複雑であったり、不安を感じられることも十分理解できます。申し込まれた活動への参加を取りやめたい場合は、遠慮なくセンター事務局までご連絡下さるようお願いします。

 今回の大震災により、自然の脅威の凄まじさ、現代社会が抱える様々な問題を私自身とても強く感じました。多くの人が感じたことでしょう。それでも私たち人間は生き続けていくわけですが、であるならば自然と人と社会のあり方を考え、見直し、様々に発生する諸状況に対応していくこと、そしてそれらのことを続けていくことが求められるのではないでしょうか。そうしたことに微力を尽くしてまいりたいと思います。  最後になりますが、被災された皆さまの今後のご無事と、被災地の一日も早い復興を心より祈念申し上げます。

                            2011年3月19日

                            NPO法人自然体験共学センター
                                  理事長 辻一憲




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