フィールドノート

 街から離れた小さな村、上味見。ここには、スーパーもコンビニもガソリンスタンドもない。でも、人間を含む生き物にとって大切なものがたくさんあります。
 ここでは、上味見の四季と生き物たちを紹介します。

 雪が降り、夏もしっかり暑い上味見の環境の中では、この時期は少し短いかもしれません。しかし、まだ日かげに残る雪の下からもしっかり準備を進めている植物たちも・・・。子どもたちはこの「雪下の春」を見つけるのが実にうまい!雪合戦をしているのかと思いきや、ふきのとうを手袋いっぱいに見せに来ます。日向では、色とりどりの花束を作っている姿も。
 徐々に近づく春と過ぎ去りようとする冬、季節の移ろいをしっかり感じることができる地なのです。


 子どもたちの声と共にやってくるセミたちの大合唱。それに負けじと様々な植物が大きく成長します。中には、人の顔よりも大きくなる葉っぱがあったり、背丈を追い越す草たちも。
 虫たちも負けてはいません。夏の王様“カブトムシ”や“クワガタ”、比較的よく見つかる緑に光る“カナブン”なども見られます。
しかし、見つかっては困る・・・とばかりに、小さく小さく生きる生き物達の姿も…。それを容赦なく見つける子どもたちとの駆け引きの季節です。


 山に囲まれた谷あいの上味見。だからこそ、この地の空はとてもきれい。それは秋になるとよく分かります。
 晴れた日の夕方信じられないくらいに赤くなる空。雲ひとつない青空なのに高く感じる。暗くなる前の一瞬の光のコントラスト。そしてその様子を眺めているかのようなススキの穂達。赤や黄色に色づく紅葉に注目しがちですが、その背景の空色にも少し目を傾けてみては・・・?


上味見には雪が降ります。しかも2メートル程積もる年も。夜な夜な音もせず降りつづける雪は、厄介だと思いながらも、早朝の銀世界に心地よさを感じます。 
 森の中に足を踏み入れれば、大きな杉の木からサー…と落ちてくる雪。光が当たっている時には、キラキラと宝石のように輝きます。そして動物達が息づく確かな証拠を見つけやすいのもこの時期。誰も踏み入れていない真っ白な雪原をウサギやテンやキツネが駆けた足跡があちらこちらに。
 この時期があるからこそ、より春が待ち遠しい。そして季節は巡ってゆく・・・