新聞記事
 
森になじむ子どもたち 2007年6月4日
中日新聞

 深い山々に囲まれた福井市上味見地区で、二〇〇一年三月に廃校になった小学校の校舎を活用し、二〇〇五年に「ふくい森の子自然学校」を設立した。園児や児童・生徒が自然と触れ合う機会を提供している。
 田植えから草取り、稲刈りまで稲作を体験したり、自分たちで探してきた植物を素材に工作をしたりと多岐にわたる活動には、県内だけではなく関西などからも年間延べ一千人以上が参加。週末や長期休みになると、過疎の町に子ども達の元気な声が響く。住民が指導役を担い、子どもが地元の祭りに参加するなど、活動は地域にも浸透しはじめた。
 福井市の市街地で生まれ育った。東京の大学に進学後、当時、世界的に注目を集めていた熱帯雨林の荒廃や南北問題に関心を強め、国際交流や環境保護活動に足を踏み入れた。現在も自然学校の活動の傍ら、北東アジア各国の子どもたちが年一回、自然体験を通じて交流を深めるキャンプの開催にも携わっている。
 一九九二年にブラジルのリオデジャネイロで開催された地球サミットで提唱されたスローガン「持続可能な発展」に影響を受けた。「経済発展と環境保護は両立できないと思っていたので、このスローガンはとても画期的だった」。実現の一助になりたいという熱意が活動を支えている。
 「日々の活動は微々たるものかもしれないが、積み重ねは力になると信じている。森は楽しい場所だと小さいことからなじみを覚えることで、都市に住みながらも山や森のことを考える人が次第にふえていけばいい」と笑みを浮かべた。 (小島香子)

上味見で生きる力学ぼう 2007年6月3日
福井新聞

−代表を務める「ふくい森の子自然学校」は三年目を迎えましたが、どんな活動をしていますか。
 中学生までの子どもを対象に、森や川などでの体験プログラムを実践している。北陸での自然体験活動の充実を図るNPO法人自然体験共学センターが、人と自然環境の調和を地域に根ざして学ぶ場として二〇〇五年に開設。廃校になった福井市中手町の旧上味見小(上味見生涯教育施設)を拠点に、上味見地区のさまざまな場所を使って活動している。キャンプや川遊び、稲作など年間を通しての活動に県内外から延べ約千人の子どもが参加。同センターのメンバーのほか、大学で教育やまちづくりなどを学ぶ学生ボランティアら約二十人がスタッフとしてかかわっている。

−これまで取り組んできて感じたことは。
 森や川など豊かな自然から学ぶことのほか、活動に関わってくれる上味見地区の人たちから人と人とのつながりの大切さを教えてもらった。稲作体験用の田を喜んで貸してくれ、先月の田植えでは田植えの技術を丁寧に教えてくれるなど、応援してくれている。人と人とが共に支え合って暮らす山間の地域だからかもしれないが、人への深い愛情や子どもを育てる教育への熱い思いを、子どもにも惜しみなく注いでくれ、とてもありがたい。 −先月は、学校と地域住民が協力し、施設の裏山で「森の演奏会」というユニークな行事を企画しましたね。  学生ボランティアと地域の人たちが協力して、裏山に建てたツリーハウス周辺を、森と山に親しむ楽しい場にしようと話し合い、その第一歩として企画した。子どもたちが森の妖精にふんして劇や歌を披露したり、地域の人が旧上味見小学校歌を歌ったりして、訪れた人には森で過ごすひとときのすばらしさを感じてもらえたと思う。 −これからの活動の目標は。  子どもだけでなく、大人の参加も促す行事を増やしていきたい。子どもを支え、子どもと喜びを共有するための保護者の活動もあるべきだし、大人だけの自然の楽しみ方を探る行事があっていい。そして、大人にも自然を愛するようになってほしい。これまでの蓄積を基にもう十年間、私を含めた学校にかかわるすべての人が、上味見地区で生きる力を学んでいけたらと思っている。

葉っぱ柄ハンカチできた  旧美山・上味見小 児童たたき染めに挑戦 2007年5月21日
中日新聞・日刊県民福井

 二〇〇一年三月に廃校になった旧美山町上味見小学校(福井市中手町)で二十日、児童が葉のたたき染めに挑んだ。
 子どもたちに植物に触れたり、ものを作ったりする楽しさを学んでもらおうと、NPO法人「自然体験共学センター」が主催する「ふくい森の子自然学校」のイベントとして開いた。福井、鯖江両市などから小学生十二人が参加した。
 子どもたちは小学校の裏山に入り、シダなどの葉や花を摘んだ。その後、教室でハンカチに葉を並べ、たたき染めに挑戦。思い思いに並べた葉の上にガーゼをかぶせ、金づちで勢いよくたたくと、葉から染み出た色素で葉の形がそのままハンカチに色付いた。児童たちは嬉しそうな顔で完成したハンカチを見つめていた。
 鯖江東小六年の辻井今宵(こよい)さん(一一)は「意外と簡単にでき、楽しかった。ハンカチは妹へのお土産にするつもり」と話していた。 (小島香子)

新緑囲まれ音楽堪能 福井で「森の演奏会」 2007年5月4日
福井新聞

 新緑の中で歌や合奏、民話などを楽しむ「森の演奏会」が三日、福井市中手町で開かれた。地域住民や、近くで開かれている自然体験教室に通う子どもら約五十人が集まり、優しい音色が響く木立の中でゆったりとした時間を味わった。
 上味見地区の自然を肌で感じてもらおうと、旧上味見小を使った体験教室「ふくい森の子自然学校」を運営するNPO法人・自然体験共学センターのスタッフや地元住民ら約十五人が実行委を結成して企画。昨年、同NPOのボランティアが同校裏の山に建てたツリーハウスのそばに特設会場を設けた。
 はじめに子ども七人が水の妖精に扮して登場し、水をまいて森・水・人の共生を表現。「木でできたオカリナ」と呼ばれるコカリナの演奏や、子どもたちの「世界に一つだけの花」の合唱が披露されると、山中からはヒバリの声も´共鳴´し、会場はさわやかな雰囲気に包まれた。
 合唱や合奏のほか、旧上味見小元校長の林幸男さん(七〇)が上味見地区に伝わる民話「魚眼記」を披露。また、学校行事など旧上味見小の歴史も朗読され、訪れた地元住民が懐かしそうに聞き入っていた。

子供の協調性サポート 2005年2月10日
中日新聞

 「新しく教え込むのではなく、子どもが協力して生活するためのサポートをしたい。」美山町を拠点に、小中学生を対象とした自然体験事業を実施している。県内の他関西地の方からも参加があり、こどもたちがキャンプや川遊び、畑仕事などを通じて協調性の学べるプログラムを組む。

 国際交流の一環として、北東アジアと日本の子どもたちの共同生活を企画したのが一つのきっかけ。今は同町上味見地区の廃校に寝泊まりする。「森や山が好きな子が増えれば、山村の抱える問題も解決に向かうのではないか」。活動には里山の荒地を防ぎ、文化と生活を守る狙いもある。

 美山町の人々やボランテアの学生らも運営に加わり、活動の幅は広がる。

「参加した子が十年、二十年後にどういう大人になるか。それにより自分たちの活動を評価できるのではないか」と話す。

 
 
 
 
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