ふくい森の子自然学校3年目へ
〜廃校での自然学校運営

(2007/4/5)

 2005年2月にふくい森の子自然学校がスタートして、3年目に入った。2005年、2006年と無我夢中で様々な活動に取り組んできた。石の上にも3年と言うが、3年が一つの節目なのだろう。とすれば、3年目の今年一年が私達にとって重要であると身が引き締まる思いだ。

 無我夢中で頑張っているその最中ではわかりにくいが、過疎化が進行した地域と廃校を拠点に自然学校を運営し、四季折々の自然体験を企画運営する私達の活動の意義を、様々な方々との接触のなかで実感することがある。

 2005年から2006年の2年間、私は、日本最大の自然体験活動の全国協議会組織であるCONE(自然体験活動推進協議会)の地域部会の委員をつとめてきた。部会長をつとめる降旗さん(日本ネイチャーゲーム協会理事長)は、今鹿児島で廃校を活用した自然学校作りを県、大学、地元行政・地域住民、諸団体と連携させながら取り組んでいる。地域部会やCONEの様々な場での議論や意見交換のなかで、「日本全国で増えている廃校が自然学校に生まれ変わっていけば、子ども達や大人が自然を学ぼうと集まり、過疎化が進んだ地域の活性化の一助になっていくだろう。そのためのネットワーク作りを進めよう」と話しあっている。

 旧美山町では、小学校の統廃合の結果、3校が廃校となった。その一つである旧上味見小学校を私達は拠点として使用させていただいているが、近隣自治体でも廃校の活用が問題となっており、その参考にしたいと、最近ある教育委員会が視察に来られた。全課のメンバーが含まれていて、この問題に対する関心の高さ・意気込みが感じられた。廃校で活動をやっている事例として、いろいろ教えてほしい、行政や地域や仲間と話を進めて行く上で参考にしたいと、という話が石川、九州からと相次いである。

 様々な話を整理して伝えるのだが、
・ともすると閉鎖的になりがちな過疎地域において、私達の活動を受け入れていただいている地域の方々のオープンマインドが素晴らしいこと。
・この上味見地域には、自然だけではなく、文化と歴史、人々の生活、そして素晴らしい人達が沢山いること。
・子ども達、私達役職員、サポーター、協力者などが学びたい・知りたい・やりたいと思うことに関して、愛情をもって教えて下さること。この地域の人々の温かさ、人情味、ふところの深さが素晴らしいこと。
など、話をするたびにこの地域の良さ・素晴らしさを再認識させられる。私達は、こうした地域の良さを学習財としてプログラム化しながら自然体験活動の普及に貢献しようと頑張っているが、そのことが結果的に地域活性化の一助になっていれば大変光栄であり嬉しく思う。

 さて、廃校での活動は言いことづくめではなく、難しい点もいろいろある。文科省の調査で、全国の公立小中学校の校舎や体育館など約13万棟のうち、震度6強の地震に耐える現行の耐震基準(注1)を満たしているのが約56%であることがわかり、先日3月30日付の新聞等で報道されていた。
 私達の活動拠点である福井市上味見生涯教育施設も昨秋に福井市教育委員会による耐震検査が行われたが、「問題ない」という結果であったと報告を受けている。アスベスト調査も2005年に引き続き、昨秋再調査が行われ、これまで同様「問題ない」という結果であった。
 廃校の全てが古い校舎と言うわけではないが、なんとなく古いというイメージがつきまとう。現時点では問題なくても、より厳しい安全基準が追求されていくなかでいずれは基準を満たせなくなる時期がくるかもしれない。そうした時に、私達として、行政として、地域として、この<旧上味見小学校>という廃校をどのようにしていくのか考えなければならない。過疎地の廃校だから、古いから、財政難だから、お金をかけられない・取り壊すという道を選んでいくしかないのか、130年に渡る学び場を守り発展させていくために出来得ることをしていくのか。私としては後者であろうことを願うが、いずれにしても今やれることは、ふくい森の子自然学校の活動を継続し発展させていくことであり私達が出来ることを精一杯頑張っていくことだと思っている。


(注1)現行の耐震基準
 1978年(昭和53年)に建築基準法施行令が改正され、1981年から施行。震度5強程度の地震で建物がほとんど損傷せず、震度6強〜7の大規模地震でも倒壊せずに人命を保護できることとされ、それ以前よりも高い耐震性が求められるようになった。


 









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