廃校で自然体験活動をスタート 〜経緯と今後について〜
NPO法人自然体験共学センター
理事長 辻一憲
私達が活動を行っている拠点は、廃校となった旧上味見小学校だ。戦後の国策で杉の植樹が奨励され、相当の杉が植えられ、育てられてきた。雑木もところどころ残り、熊が里におりてくる年もある。ホタルが乱舞するスポットもあり、水がうまく気温の関係から美味しい米がとれる。源義友の十男が起源とされる豪族伊自良氏が館を構えた地区であり、その復元館である伊自良の里資料館では歴史がしのばれる。
上味見小学校は、明治政府による学制発布が発令された明治5年の翌年に創立され、戦後のピーク時は、約300名の児童がいたが、年々減少し、ついには6人となり2001年3月に小学校としての歴史を閉じた。
何故この上味見地域を選んだのか? 何故廃校を選んだのか? よく聞かれる質問である。「ご縁を大切にしてきたらこのようになった」というのが正直なところだが、これまでの経緯を振り返ってみたい。
廃校となった一ヵ月後、私は旧美山町内(今年2月に合併し現在は福井市)の知人の紹介で美山町教育長(当時)をたずね、その足で案内されたのが廃校となった上味見小学校であった。廃校と聞いて、木造の校舎をイメージしていたが、少し古い鉄筋の校舎であった。私たちNPO法人自然体験共学センターは、その年の秋に「北東アジア子ども自然体験交流事業」に取り組もうとNPO法人グリーンウッド自然体験教育センターと共にその準備に取り組んでいた。10日間の日程のうち1泊2日をこの上味見地区・小学校で受け入れていただくこととした。統廃合の結果新設された小学校の子ども達も大勢参加し、中国、韓国、ロシア、モンゴルなどの子ども達が一緒になって、畑や山で収穫したもので鍋を作り味わった。餅つき、そば打ち、紙すき、、、。廃校が、その2日間は世界の子ども達が交わり、触れ合う素敵な場となった。この活動を地区の若手、婦人会が総出で準備、運営くださった。その人情味溢れる地区の方々の温かさに感激した。
その後も取り組みを重ねていくなかで、私達の活動拠点を廃校に移す話を教育長と少しづつ進めていた矢先の平成16年7月に福井豪雨が発生、足羽川がいたるところで氾濫し、床下・床上浸水、田畑に泥がたまるなど旧美山町は壊滅状態に陥った。私も災害ボランティアとして手伝い、出来ることで貢献した。ホタルが乱舞した川は、激流で畑やコンクリート堤、堰がえぐられ、破壊され、ズタズタになった。山の荒廃も一因であった。そうした地域に自然体験活動の拠点を構えてよいのか−私自身の中でも葛藤し、また仲間たちとも議論を重ねた。
様々な自然があること、現在の里山の置かれている状況、廃校となるような過疎地域が抱えている現状―これらを正面から受け止めていくところから出発していこうと覚悟を決めた。行政や地域とも話し合いを重ね、豪雨から半年後の平成17年2月に、「ふくい森の子自然学校」を開設した。以来、無我夢中で春活動、リーダー講座、夏キャンプ、秋活動、通年活動、CONEの地域子ども教室などに取り組み、丁度一年が過ぎたところである。
一年間地域の様々な方々と出会い、教えていただく中で、自然や生活について様々な知恵や技術を持っておられることを知った。何人もの方々が、私達に、そして子ども達に愛情たっぷりに接し、知っていることを惜しげもなく教えて下さった。
「こうした地域の方たちが自然学校の先生として関わって下さる仕組みを作りたい」
自然学校の一年の活動の修了式後の懇親会の場で、区長会長をはじめ地域の皆さんを前に協力をお願いしました。地域の方々が愛情をもって暮らしてきた地域であり、また学んだ場である廃校に愛着をもっている。きっとその愛情が溢れる学びの場になるに違いない。そのような場で私達や子ども達が学び、次へ引き繋いでいく−そんな自然学校に育てていきたいと思っている。
子ども達と作るツリーハウス
川原優一
子ども達にとって人気のある活動とは何だろう。
自然の中へ入るだけでもその顔は違ってきます。探検、虫とり、ハイキング…。自然の中だけでも様々な活動ができ、様々な楽しさ、様々な楽しみ方があるが、一つ全てのことに共通して言えることがあります。それは、遊び道具や遊び方をただ与えられて遊ぶだけではなく、自らそれらを作り出し、試行錯誤を繰り返すということです。落ちている木の枝、面白い形の木の実、大きい岩、奇妙な虫、土地の起伏などそこのある全てのものを自分の持ち物にし、遊びの材料へと変化させてしまう。これは現代の社会において抜けているところではないでしょうか。ネット環境やTVゲームが充実し、与えられ、すでに与えられたルールの中で遊ぶ。これでは子どもの想像力、思考力などが養われません。もちろんその全てが悪いというわけではなく、現代の社会で生きていくためにはそういう技術も必要となるが、子どもは遊びを通して学んでいくことが多くあるといくことを強く主張したい。自分達だけのルールを作り、遊び、その中で想像力や発想力、相手を思いやる力、コミュニケーション能力など様々な心が育てられます。とても楽しく時にはケンカもしながら学んでいきます。人から教わることのできない自分で学んでいく力です。そういうことを自然の中ではまさに自然と子どもたちはやっていて、目を輝かせながら新しいものと出会おうとし身につけていきます。そういった環境を、そういった機会を作ることが私達にとって大切なとこではないかと感じています。
そして今までの活動の中で印象深かった活動は、ひみつきち作りです。述べたような自然と身についていく力に楽しさを感じているのか、そのタイトルに大きな魅力があるのかで、この活動はとても人気が高い活動でもあります。みなさんも作ったこと、ありませんか。自分達だけのひみつきち。いつも同じところで遊んでいるからこそ人目につきにくい場所を見つけることができ、そこにある木や岩などに拾ってきた枝や草や落ちていたゴミなどを使って装飾を重ね、自分達だけのきちを、世界を築き上げます。他の人から見たら何でもない場所でも、作った本人から見れば大切な場所となり、思い出の場所ともなります。そこにある環境に入り込み、一本一本の木や一つ一つの岩や土地と向き合い、語り合う。それは、ひみつきちを作る活動の時に最も必要なことだと感じました。そしてそれは、ひみつきちを作ることよりむしろ向き合い、語り合うことに意味があるのではないでしょうか。その環境の中で一本一本の木、一つ一つのものを見て取り込んで利用する。これもまた想像力や考え方を養い育てます。そして何より、一つに自然を知ることにより他の自然も見ようとする気持ちが現れ、大きく見ればあらゆる自然を見ようとし、さらに大きく見れば自然が大好きだという気持ち、自然を保護しようとする態度を育てるということに繋がるのではないでしょうか。些細なことからでも新たな気持ちは芽生えます。ひみつきちもそういう意味では重要な役割を担っていることが実感されます。
そして今、ひみつきちをもっと本格化した形でできないかと、子ども達と作るツリーハウスを計画しています。規模が大きくなれども気持ちは変わりません。福井県福井市上味見地区で活動を行っている「ふくい森の子自然学校」の周辺の森で、ツリーハウスに適した場所を見つけ出し、そこにあるもの全てを活かして計画を立てる。その場所でしかできない、その場所だからこそできるツリーハウスを目指して進めています。手作りの床、手作りの壁、手作りの屋根…、全てが手作りのツリーハウス。これもまた作ったことありませんか。なくとも夢見たことありませんか。こういった夢膨らむことを機に子ども達が自然の中で経験できれば計画が終われども、それぞれの心の中にはさらに深く残る活動ができるのではないかと思っています。やるからにはこちら側も全力で、美しいものを作りたいです。
話は変わりますが、「美しい」というものの中にも今まで言った経験の様な心に残るという意味が含まれています。私の好きな考えの一つに「美」という漢字は「羊」という字に「大」という字が組み合わさってできているというものがあります。大きい羊で美しい。これは何を表しているのか。それは、おぉっ!とか、わぁぁ!とかの驚きを表しているのではないでしょうか。驚きが起これば心の中にも刻まれていく。つまり「美しい」は、ただ綺麗というだけではありません。汚いもの、上手なもの、下手なもの、醜いもの、驚くというところまで行きついたものに対しては平等に驚き、感嘆し、平等に心の中に残っていく。その全てが「美」だということです。
だからこのツリーハウスでも少しでも多くの驚き、発見、経験ができるように、美しいと呼べるものとなるように計画していきたいです。
「地域の自然、文化につての発見」
(執筆者;津田恭明)
「地域」という言葉は、本来とても幅広い場所や空間を意味しますが、私は「地域子ども教室」の活動を通して、「地域」の中でも私たち人間の生活している身近な「地域」について、今まで以上に様々なことを感じ、考えさせられています。その中でも、私は「地域」と「人」の関係性について感動し、その関係性について考える機会が増えてきました。これから、私が活動を通して発見した「地域(以降、美山とする)」を紹介していきます。
美山は、山に囲まれた昔の日本を象徴するような地域です。ほとんどが建物や道路となっている都会で生活することの多い私たち学生にとって、美山の山・川・田畑・空気・夜空など自然からの多くの贈り物は、普段の生活にはない価値を含んでおり、私達が直接的にその価値を感じ、また地域の方々や子ども達の言葉、そして気付きによって間接的にも価値を感じます。その一方で、同じ自然を見ているにも関わらず、子ども達から見えること、私達学生から見えること、ずっと美山で暮らしている方々から見えること、それぞれの観方があまりにも異なることを知りました。
美山では、子ども達は、森や草原、田畑などで泥だらけになりながら遊んだり、虫を追いかけたりしています。その他にも自然の植物や森に落ちている木の枝、木の実を使用したクラフトなども行っています。たくさんの自然に囲まれながら笑顔で遊んでいる子ども達を観ていると、ニュースで取り上げられている受験戦争・テレビゲームのやりすぎ・子どもによる犯罪などは、忘れてしまいそうになります。また、自然の中で私達が目にも留めることのない物に子ども達は敏感に気づき、感じ、考えていることにいつも驚かされます。私は、子ども達にとって美山の自然は、普段は使うことのない遊び道具であり、学校や家庭にはない勉強道具の一つと考えています。そして、子ども達だけではなく、活動に携わる指導者の方や仲間も美山の自然で遊び、愛し、日々自然から多くのことを学んでいます。
しかし、美山の自然の中には、楽しいことや面白いことばかりがあるとは限りません。自然の中は、私達人の手で安全管理できることは少なく、危険が数多く存在しているのです。ハチ・毒蛇、毛虫、ウルシから大雨による洪水や土砂崩れなど、いつどこで何が発生するか見当がつきません。私は、活動を重ねていくごとに、子ども達が安全に活動するためには子ども達の行動を観察するだけではなく、自然の状況や活動場所の環境を何度も確認し、それらの変化に対応できるように備えておかなければいけないことを教えられました。人の命を預からなければならない活動において、参加者全員が楽しく安全に活動するためには、自然の良い面だけを観るのではなく、万が一に備えて自然の悪い面を注意して観ておく必要があるのです。
その点、地域の方々は、美山の自然にはとても詳しく、活動において良きアドバイザーであり、先生でもあります。「この時期は蛍が出る」、「あの時期はアブが多い」、「もうすぐすると過ごしやすくなる」など、私達では分からないような自然の知識をたくさん持っておられます。言い換えるならば、人は自然の中で生きていて、人は自然に順応しなければならないことを当然のことと考えているのです。
また、何十年、何百年も昔から美山の地域で生活してきているため、農業・林業・祭り・織物・食べ物など生活面において様々な工夫や試行錯誤が見受けられる部分があります。それらは、県内でも全国でも取り上げられる機会は少ないですが、美山の方々がこれまでに長培ってこられた生活の知恵であり、美山で生きていくための方法の1つなのです。こういった美山の文化は、代表的な日本文化が最も多く存在する京都のように簡単に目に見えるものではなく、同じ時間を共に過ごすことで観えてくるものなのです。
以上のように、私は活動を通して美山の自然から子ども達に関すること、地域の方の生活に関すること、自然の良い面・悪い面の両面などを学ぶことができました。しかし、私は活動を通して得ることのできるものは、活動に携わっていく限りまだまだ存在すると感じています。また、人は自然の中に生きているだけであり、自然体験活動と同様に様々な考えや工夫を凝らして現在まで至っていることを再認識しました。
「活動を通じて、自分自身が得たこと」
(執筆者;大西由美)
私が、NPO法人自然体験共学センターが福井市上味見地区で取り組む「地域子ども教室」の活動に参加しようと思ったのは、「自然が好きだから」「アウトドアに興味があるから」といったものではなく、「ただ子どもたちと触れ合いたい」という単純な理由からでした。これまでの私には、子どもの頃によくキャンプに行ったとか、自然の中でたくさん遊んだとかいう経験は全くありません。そんな私が、たまたま子どもと触れ合いたいと思い、何気に参加しようと思ったのがこの活動でした。
都市部の大学にすっかり住み慣れた私は、初めてこの上味見の自然を目にしてその壮大さに心を奪われました。私のように都市部に住んでいる子どもたちにとっては、全くの別世界のように思えるでしょう。春は、桜が満開で花びらがシャワーのように散りばめる環境で遊んだり、夏は川や海で遊んで、キャンプを楽しんだり、秋は落ち葉拾いや畑で食べ物をとったり、冬は豪雪と四季をはっきり感じさせられます。そして自然をフィールドにした「地域子ども教室」の活動、それには決して都市部では得ることのできない、ここならではのものがありました。
春の活動では「山菜採り」に行きました。山には、つくし・よもぎ・あさつき・ふきのとう・たらのめなどがたくさん生えていました。「誰よりもたくさん採るぞ!」と、子どもたちもとても意欲的に、熱心に山菜採りに取り組んでいました。つくしを一つ採るにしても、より長いものを、よりきれいなものをと子どもたちは必死です。たくさん採れた自然からの恵みを使って、つくしごはんや山菜の天ぷら、おひたしなどを調理しました。つくしを食べるなんて皆、初めての経験です。食べた子どもの感想はさまざまでしたが、この「山菜取り」から子どもたちは多くのことを学べたでしょう。都会にいると、つくしなどを見る機会が滅多に減っているように思われます。だからこのような場所で、自然の中で子どもが遊ぶ機会が持たれていることは非常によいことだと感じました。普段は、画面つきのゲーム機や買い与えられたモノに囲まれて、遊んでいる子どもたちも、自然に自然の中に溶け込んでいました。自然の中には、こちら側が求めているもの以上のものを発見することができます。「山菜採り」を目当てに出かけても、その最中に、カマキリのタマゴを見つけたり、テントウムシがいたり、きれいな花を見つけたり、さまざまな発見があります。「あ!こんなのがあった!すごいやろ〜!」と子どもは楽しそうです。要求以上の発見、それが自然の魅力であり、醍醐味であるのだなと感じました。四季折々の変化を直に感じとれ、たくさんの発見が見られる自然、子どもたちには最高のフィールドだなと感じました。
私がこのような活動の中で得たことはたくさんあります。この活動にかかわる前は、あまり子どもとかかわることがなかったので、子どもの感じ方や接し方が頭では分かっているつもりであっても、実は分かっていなかったことに気づかされました。「あ〜そういえば私が子どものころもこんなんだったな。」と思い出されてきました。また、自然は子どもたちにとって多くのことを学ばせてくれるいい遊びの場であると思いました。しかし中には、自然の危険も多々あります。海や川での事故なども絶えず、なかなか自然のなかで遊ばせることを拒む親たちもいることでしょう。インドアの中で遊ぶ子どもたちが増えてきている現状にあります。ですが、危険を避ければ、自然ほどよい場はありません。自然での危険をしっかり子どもたちに認識させたうえで、子どもたちが自然に恐れることなく、自然の楽しさをもっと伝えていけたらなと思いました。でも私は、先にも述べたように自然にはさほど詳しい知識を持っているわけでもありません。CONEリーダーのなかでもまだまだ未熟者です。子どもたちのほうが私より、自然の知識を持っているといっても過言ではありません。だからもっと「地域子ども教室」の活動を通じて、子どもと共に、自然について学んでいけたらいいと思います。
「上味見森の子教室で出会った子どもたちについて」
(執筆者;伊藤弘晃)
「子どもたちが安心して遊べる、子どもたちが楽しいと感じられる、子どもたちが日常の生活を忘れて思いっ切り遊べる、そんな『みんなの遊び場』がここにはある」上味見森の子教室はそんな場所であったと思う。
校庭の雪がとけ、春のうららかな風が心地よい4月。新しい学年が始まると共に上味見森の子教室も始まった。これから何が始まるのか楽しみな表情、こぼれ落ちそうなほどの笑顔、初めての環境に少し心配になっている表情・・・。そこにはいろいろな子ども達の表情があった。ただ共通してあったのは少し緊張した表情とこれから始まることへのウキウキ・ワクワクとした表情であった。一年を通してこの学校に集い、大人も子どもも関係なく、共に遊び、共に考え、共に生活し、共に育っていく。そして、一緒になって自分たちの遊び場を、自分という人間を創っていく…。そのような思いは子ども達の間に無かったかもしれないが、子どもたちのウキウキとした表情からこぼれ落ちんばかりの笑顔から僕はそんなことを感じた。
上味見森の子教室が始まって2ヶ月が過ぎた6月の活動。校庭を吹き抜ける風がだいぶと温かくなり夏の気配を感じる季節、子どもたちの表情は輝き始めていた。
子どもたちの顔から緊張した様子がだいぶんと無くなり、毎月この日が待ち遠しいという表情に変わってきた。新しい友達とも、始めて出会ったお兄さんお姉さんとも仲良くなり、やっと一つの輪になりつつあった。やっと『みんなの遊び場』の土台が出来上がった感じである。この時は自分たちの畑を作った。自分たちの畑はここが自分たちの遊び場であるという証である。子どもたちは一生懸命畑を耕し、自分たちの手で野菜の苗を植えた。夏になりたくさんの実がなることを願って。この時、野菜の苗と共に子供たちの間にも友情という名の種が蒔かれていた。
時は流れ10月の活動。夏の暑さも過ぎ、たくさんの実りをもたらしてくれる季節。
夏の間にたくさん遊び、自分たちが安心できる場所へとなっていた『みんなの遊び場』にもたくさんの実りが出来ていた。子どもたちの表情はとっても柔らかで和やか笑顔で満ちており、そこはもう特別な場所ではなく子どもたちにとってありふれた場所、本当の子どもたちの遊び場になったのだと確信した。この例会では、自分たちの妖精を木の実などを使って創った。妖精を創っているときの子どもたちの目は真剣そのものであり、思い思いの妖精を創っていた。それはまるで『みんなの遊び場』に呼ぶ新たな仲間を創っているようであった。
年も明け、『みんなの遊び場』も終わりに向かう2月の活動。外は白銀の世界。寒さ厳しく、世界が一変してしまう季節。寒い外とは対照的に部屋の中は子どもたちの暖かさと笑顔であふれていた。『みんなの遊び場』にも吹く別れという名の風。一年間一緒に遊んだ仲間だからこそ最後まで充実した一日を過ごせるのだなと思った。この例会では雪遊びをした。寒い外でも元気に遊ぶ子どもたち。飽きることなくいろいろな遊びを続ける子どもたち。どんな環境でも新しい遊びを創っていく子どもたちのすごさがそこにはあった。
そして、最終回。一年を通じて遊んできた友達ともお別れ。みんなで創った遊び場との別れ、そして、一緒に遊んだお兄さんお姉さんとの別れ。そこにはいろいろな別れがあった。最後の例会はみんなで創った『みんなの遊び場』を残すことをした。それは、自分たちの思いを、自分たちがみんなで一年間遊んだ証を未来の自分に残すタイムカプセル。タイムカプセルを校庭に埋めると共に、子供たちの心の中にも『みんなの遊び場』が入った宝箱が刻まれていった。一年を通してたくさんの遊びを多くの仲間とした。季節の移り変わりと共に遊びも変わり、子どもたち自身も成長し、また、一つの輪として成長していった。子どもたちの成長を前に自分自身もすごく成長する場面があった。ここは単に遊ぶための場ではなく自分を磨いていく場でもあったと確信している。
「未来の自分のために今の自分にできること」=「遊ぶこと」であると子どもたちの成長から学んだ。未来の自分のために多くの遊びを体験し、遊びを通して多くのこと学んでいく、そうすることで自分を大きく成長させていく。遊びを通して楽しさ・嬉しさ・喜びを感じ、多くの人に笑顔と勇気を与える。そんな『みんなの遊び場』が森の子教室であった。子どもたちのたくさんの笑顔と出会い、子どもたちの素顔と出会い、子どもたちのちょっぴり大人になった顔とも出会った。いろいろな顔を見せる子どもたちのその根底にあるのは遊びの達人としての顔であった。一年間を通してこの森の子教室で得たこと、経験したことが未来に自分たちのために役立ってもらえばこれほど嬉しいことはない。子どもたちの胸に蒔いた種が大きく素敵な花とたくさんの実りをもたらすことを願うばかりである。
CONE福井の取り組み
〜福井県内の自然体験活動指導者ネットワーク作りを目指して、メーリングリストを開設〜
NPO法人自然体験共学センター
理事長 辻一憲
NPO法人自然体験共学センターは、福井市の里山地域の廃校となった旧上味見小学校を活動拠点に里山の自然や文化に触れながらの自然体験活動企画や指導者養成事業に取り組んでいます。平成17年度はCONE地域子ども教室事業に参加し、「かみあじみ森の子教室」を行い、私も運営に携わり、多くのことを学ぶことができました。
同時にCONE地域子ども教室推進事業運営協議会およびCONE事務局が進めてきた地域ネットワーク作り支援事業の一環で、平成17年11月よりCONEに参画する県内の関係団体と会合を重ねてきたところ、県内のCONE登録指導者を対象にしたメーリングリストやスキルアップセミナーの活動に取り組むことになりました。こうした展開になった背景を以下、まとめてみました。
CONEトレーナーとして出来ることで地域での連携・協力に貢献
平成14年に実施されたCONEトレーナーの養成会に参加した際に、当時CONE事務局長であった桜井義維英さんより、「トレーナーには、地域のリーダーを育て、つなぎ、地域での様々な取り組みをコーディネートしていってもらいたい。地域CONEをぜひ作っていって欲しい」と言っておられ、そのことが私の頭の中にずっとありました。しかし、正直なところ、自身の団体運営で精一杯で、とても地域のことを考える余裕はありませんでしたが、平成16年後半よりようやく少し余裕をもてるような状況になり、CONEの運動の輪が広がっていくことに、今の自分がやれることで少しでもお役に立てないかと考えるようになりました。
そうしたなかで、NPO法人グリーンウッド自然体験教育センターの村上忠明代表理事(CONE常任理事)や桜井前事務局長と意見交換し、福井や北陸での地域ネットワーク作りが進められないかと福井県内のCONEトレーナーの片岡強一さん(ボーイスカウト)はじめ様々な方、団体関係者とお会いしお話をしてきました。
地域ネットワーク作り支援の候補地となって
平成17年度の運営協議会の運営委員の委嘱を受け、同時に地域CONE委員会の委員となりました。運営協議会では平成17年度14道府県を対象に地域ネットワーク作りを支援することとなり、その候補に福井県が選ばれたのを受けて、福井県内でCONEに参加する団体にお声がけし、また片岡CONEトレーナーともご相談しながら、11月から日本ボーイスカウト福井連盟、ガールスカウト日本連盟福井県支部、福井県ネイチャーゲーム協会、福井県レクリエーション協会、NPO法人自然体験共学センターの関係者が集まり話し合いを重ねてきました。
福井県内のCONE指導者登録者数は200名弱で他県に比べて少ないのが現状というなかで、
@実際に活動する指導者に不足感がある
ACONE登録指導者のモチベーションの維持が難しく、また活躍の場が少ない
B県内に団体所属のCONEトレーナーがおらずCONE登録が思うように進まない、、、といった問題があることがわかりました。
また、こうした問題や課題を解決していく方向性として、以下のようなことが話し合われました。
@指導者のモチベーションアップを通じて福井における自然体験活動の充実化(例;各指導者がモチベーションを高め、元気になる取り組み)
A各団体共通の問題を連携・協力して解決(例;実際に活動する指導者不足をカバー)
B福井県内の自然体験活動指導者を増やす(例;CONE登録指導者を増やす取り組み、養成講座・移行事業への協力、大学等との連携)
C福井県内の自然体験活動の推進・普及に向けた連携・協力(例;講演会実施、モデル事業実施と成果の広報・普及)
福井県内在住者、福井と接点があり活動を行っている方はぜひご参加ください!
まずはこの5団体が呼び掛け「CONE福井」として、指導者の連携・協力に焦点をあてメーリングリスト、スキルアップセミナーに取り組んでいくことになりました。メーリングリストは福井県内のCONE登録指導者を対象に、団体・個人が行う活動に協力を呼びかけ、指導者がスキルを生かしあい協力する仕組みを作り、交流を図ろうとするもので、4月1日に開設されました。福井県内在住者、福井と接点があり活動を行っている方々はぜひご参加ください。5月から取り組むスキルアップセミナーの情報も随時メーリングリストでお知らせいたします。関心ある方は、CONE福井事務局担当(辻一憲)までご連絡、お問い合わせ下さい。
E-mail; cone-fukui-owner@yahoogroups.jp
電話07797-3-2011(ふくい森の子自然学校内)