今の子どもたちには、「三間」がないと言われます。「三間」とは「時間」「空間」「仲間」のことです。
 今の子どもたちは、学習塾や習い事のために忙しく、遊んでいる「時間」がないと言われます。また、昔あった野原が宅地などに変わり群れて遊ぶ「空間」、すなわち遊ぶ場所がなくなり、さらに少子化で子どもが少なくなり、互いに忙しく、遊ぶ「仲間」がいないとも言われています。
 このように、子どもたちは友達と遊ぶことが少なく、遊ぶにしても部屋の中でマンガを読んだり、テレビを見たり、ゲームをしたりで、外で遊んだり自然と触れ合ったりする機会が非常に少なくなっています。
 文部科学省が小中学生の体験活動について調査をしたところ、子どもたちの三人に一人は日の出や日没を見たことがないと答えています早起きの必要な日の出はさておき、太陽が沈む時間帯は、家の中でテレビを見たりゲームをしたり塾で勉強したりしているためではないかと言っています。そして、子どもたちは自然体験が著しく欠乏していると言っています。
 また、その中で、生活体験や自然体験の豊富な子どもほど、「友だちが悪いことをしていたらやめさせるか」「バスや電車で席を譲るか」といった質問にも「している」と答え、体験の豊富な子どもは、正義感や道徳感が身についている傾向がみえると言っています。
 このように自然体験は人間形成のうえで非常に大切な体験でありますが、その体験活動が自然体験共学センター・ふくい森の子自然学校の皆さんのご尽力により、平成17年から旧美山町上味見地域で積極的に展開されていることを光栄に思い、大変ありがたく思っています。大いに期待をし、できるだけの支援もしていきたいと思っています。
元美山町教育委員会教育長 福井市美山公民館 
館長    前川 勝己
 幼少期から青少年期、そして大人になるまでの間に数千の概念を覚えていくと言われています。こうした概念は、体験が伴っていないと知識としては覚えていくが、概念・言葉の本当の意味がわからず身についていきません。自然の中で遊び、地域の文化と生活に触れ、仲間と共に活動し生活するなかでこそ身についていく概念は沢山あります。例えば、四季折々の自然の様子や自然の恵み、多様な生き物の共生、天候の変化の影響、地域で脈々と受け継がれてきている文化や生活の知恵、面白さ・楽しさ・感動・驚き・怖さ・寂しさといった感覚、話し合い・協力・役割・分担などのルールなどがあげられます。自然体験活動のこうした意義を踏まえると共に、次代の担い手である青少年が「心の豊かさ」や「生きる力」を育んでいくことをNPO法人の立場から支援しようと私達は平成13年より四季折々の自然体験活動の機会を提供する取り組みを行ってまいりました。
 平成13年10月に実施した北東アジア子ども交流自然体験キャンプを受け入れていただいたご縁で、福井市上味見(かみあじみ)地区に、ふくい森の子自然学校を開設したのが平成17年2月のことでした。以来4年に渡り、上味見の方々は、私どもの活動と子ども達をあたたかく受け入れて下さっています。子ども達に様々な知恵を授けてくれ、また体験農場での農作業、学校裏山に作ったツリーハウス建設など、労力を惜しまずに協力してくださいます。こうした人情味あふれる地域の方々にあたたかく見守られながら、四季折々の自然の変化、生きる知恵、人と人・人と自然の関係のありよう、命の尊厳など、多くのことを経験し、考え、感じ、学んでまいりました。
 この上味見の地で、平成21年度も引き続き夏キャンプ、四季折々の自然体験活動、幼少期児童向けの自然体験活動などにより充実した内容で取り組むべく準備を進めてまいりました。NPO法人自然体験共学センター、およびふくい森の子自然学校が主催し、この春に参加者募集活動を行う二つの企画について、本パンフレットによりご案内申し上げます。子ども達がのびのびと活動し、生きる力、自然・環境・生活・仲間を大切に思う心が育まれれていくことをサポートできるよう主催者、関係者一同、万全の準備と安全対策、自己研鑽に努めながら皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。
NPO法人自然体験共学センター
理事長  辻  一憲



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